ブルンジ共和国は、在ルワンダ日本国大使館が管轄しています。




対ブルンジ共和国国別援助方針

2014年 4月

• 援助の意義

ブルンジは、13年続いた内戦が2006年に終結して以降、国民和解と民主化に向け、平和の定着を優先課題として復興の努力を続けてきている。また、依然として不安定なアフリカ大湖地域において、その安定と発展は地域全体の安定にとっても重要である。同国は東アフリカ共同体(EAC[1])のメンバーとして地域統合を推進している。

一方、ブルンジは狭い国土に高密度の人口を抱え、さらに内戦の影響で農業インフラや農地が荒廃しており、農業の生産性が低く食料不足も深刻である。また、内陸国であることから輸送コストが高く、経済基盤は未だ非常に脆弱な状態にあり、成長の阻害要因となっている。一人あたりの国民所得(GNI)は約240ドル(2012年世銀)、人間開発指数は187ヶ国中178位(2012年)であり、サブサハラ・アフリカ諸国の中でも深刻な貧困状態にある。

上記の状況を踏まえ、我が国がODAにより戦後復興から持続的な経済発展への移行を目指すブルンジを支援することは、同国が様々な課題の解決を通じて「平和の定着」を実現し「人間の安全保障」を確保することに寄与するのみならず、同国の発展を通じアフリカ大湖地域全体の平和構築へ貢献することにも繋がる。さらにブルンジは国際場裡において我が国と良好な関係を築いており、同国を支援することでこの協力関係を維持・発展させることも期待される。

(注1)東アフリカ共同体(East African Community(EAC)):ケニア、タンザニア、ウガンダ、ブルンジ、ルワンダが加盟している地域共同体。

 

• 援助の基本方針(大目標):「持続的な経済成長への転換と社会開発基盤の整備」

 2012年2月、ブルンジ政府は第2次貧困削減戦略文書(PRSP2)を策定し、①法の支配・ガバナンス能力強化、②経済成長・雇用創出、③基礎的社会サービスの提供・国民統合、④持続的な国土・環境管理を重点課題に掲げた。これを踏まえ、我が国は、同国の持続的な経済成長への転換と社会開発基盤の整備への取り組みを支援する。

 

•重点分野(中目標):

(1)運輸インフラ・通関能力改善

ブルンジは内陸国であり、インド洋に面する東アフリカ地域と中部アフリカ地域の物流を陸上・湖上輸送で繋ぐ重要な役割を担っている。しかし長期内戦の影響による開発の遅れから、港湾施設の老朽化や国境通関施設の未整備のために、輸送効率が低く、経済成長の阻害要因となっている。したがって、港湾施設の整備及び通関機能の改善を行うことにより、同国のみならず、同国に接する東アフリカ各国及び中部アフリカ地域の経済成長を促進する。

 

(2)農業開発支援

ブルンジでは、農業はGDPの約35%(WB、2011年)を占め、労働人口の約90%(WB、2011年)が就労する基幹産業である。農家の多くは零細農家で,長期内戦による土地や農村コミュニティの荒廃、営農手法や灌漑の未発達により農業生産性は低く貧困状態にある。我が国は、知見・経験を活かした灌漑技術をはじめ、営農技術及び農村組織強化を支援する。

 

(3)基礎的社会サービスの向上

ブルンジの保健・衛生及び栄養の状況は、サブサハラ・アフリカ諸国の中でも低く、新生児の10人に1人が死亡し、5歳以下の子どもの死亡率は1000人中142人(UNICEF、2010年)となっている。また、首都ブジュンブラとその周辺地域では、帰還民や労働人口の流入による人口増加により、水に起因する疾病が蔓延し、生活環境が悪化している。我が国は、医療従事者の能力向上や医療施設の設備強化並びに安全な水へのアクセス確保や栄養・環境管理における支援を通じ、ブルンジにおける衛生環境の改善、乳幼児死亡率の低下及び母子保健サービスの向上を図る。

 

• 留意事項

• ブルンジは、内戦直後の復興段階から安定・成長の土台を整備する段階へと移行しているものの、国連平和構築委員会(PBC)の対象国となっており、元戦闘員および帰還民の社会復帰を含めた職業訓練・雇用活性化等の社会統合や、統治能力強化の観点を分野横断的に踏まえた支援を行う必要がある。

• ブルンジはEACに加盟しており、東アフリカ地域統合の推進により裨益する立場にあることから、同地域内経済発展の観点を踏まえた支援を行う必要がある。

• 反政府勢力の活動、治安情勢にも引き続き留意する。

(了)

別紙:事業展開計画


 


 

 


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