宮下大使御挨拶

平成28年9月9日
宮下大使


ルワンダに着任してちょうど2ヶ月が過ぎました。大変ご無沙汰しておりました。着任後すぐに首都キガリでAU(アフリカ連合)総会が開催されました。この会議のために市内の丘の上には国際会議場が新築されましたが、同時に街の再開発や道路の整備も行われました。キガリ市内には新築ビルが増え、見違えるほど立派な街になりました。このAU総会には50か国以上のAU加盟国の首脳が集まり、アフリカの将来に関する真剣な議論が行われました。会議では多くの首脳により、AUの財源を含めアフリカ自身のオーナーシップをもっと強化すべきとの議論が展開されたと聞いており、心強く思いました。ルワンダにとっても、これほど多くのVIPが一時期にキガリに集まることは、建国以来おそらく初めてのことだったと思いますが、大きな問題もなく終了しました。今回のAU総会は、ルワンダも、このような大規模行事を開催できる国になったことを世界に示すとともに、ルワンダのアフリカにおけるプレゼンスを大いに高める機会になったと思います。

日本とルワンダの協力関係も、お陰様で大きく発展しています。私の着任後のわずか2ヶ月を見ても、情報通信技術(ICT)分野では目覚ましい動きがありました。

3年前のTICADVの際に安倍総理が約束したABE(Africa Business Education)イニシアティブ(アフリカの大学の学部を卒業した青年を、日本の大学の修士課程の留学生として招聘し、修士課程終了後、インターンとして日本企業での勤務を経験できるプログラム)はその後順調に実施されていますが、中でもルワンダは、このイニシアティブの下で、最も多くの学生を日本に留学させている国のひとつであり、特にICT分野の学生の割合が最大です。8月に新たに10名のルワンダ人学生が日本留学に出発し、現在日本の大学院では26名のルワンダ人学生がICT分野等日本の先進技術の勉強を続けています。

また、ルワンダ政府がICT立国を目指し、ルワンダでもICT分野が発展すればするほど注意しなければならないことは、サイバー・セキュリティーの確保です。ルワンダ国家警察もサイバー・セキュリティーの能力を如何に高めるか日々努力を重ねていますが、このたび日本の援助を活用した「サイバー・セキュリティー・センター」がルワンダ国家警察内に新築され、先日無事完工しました。さらに、去る9月8日には、この「サイバー・セキュリティー・センター」で今後活用されることになる日本製の機材を供与するための書簡に、ガテテ財務大臣と私が署名し、書簡を交換したところです。

このように日ルワンダ関係は、国民の皆様のご理解とご支援の下、順調に発展を続けています。引き続きのご理解とご協力をお願いします。



平成28年9月
ルワンダ駐箚特命全権大使
宮下孝之

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