宮下大使の岩手県八幡平市訪問(9月14-15日)

平成29年9月21日
田村八幡平市長表敬
 一時帰国中の宮下大使は,9月14日,岩手県八幡平市を訪問し,田村正彦市長を表敬訪問するとともに,市職員約100名を対象に,最近のルワンダ情勢につき講演を行いました。今回,宮下大使は田村市長との間で,ルワンダにおけるリンドウ栽培実験の成果についてだけでなく,2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて,八幡平市とルワンダとの間の市民レベルでの交流を活発化する方途についても意見交換を行いました。
市職員への講演会
 翌15日,宮下大使は,八幡平市「花き研究開発センター」,リンドウ生産農家を視察しました。また,県庁(盛岡市)では達増岩手県知事を表敬訪問し,ルワンダにおける八幡平市のリンドウ栽培プロジェクトの現状につき報告するとともに,このプロジェクトへの県からの更なる支援も要請しました。
花き研究開発センター視察
花き研究開発センター視察
 リンドウは日本原産の植物ですが,その清楚で可憐な花は国内のみならず諸外国でも人気があります。八幡平市は,リンドウ生産で日本一を誇り,毎年日本国内で生産される8900万本の約30%に当たる2600万本を生産しています。現在,八幡平市は,リンドウのヨーロッパ向け輸出を拡大するため,ルワンダで栽培したリンドウをヨーロッパ向けに輸出する計画を推進しています。このプロジェクトは,2014年11月,八幡平市,みずほ情報総研,岩手大学の三者により開始されましたが,その後の現地での実証実験も順調に進み,2018年5月頃にはヨーロッパ向けの初出荷が見込まれる段階に達しました。
リンドウ生産者訪問
リンドウ生産者訪問
 日本国内では,リンドウは稲の転作作物として,東北地方を中心に休耕地となった水田を活用して栽培されていますが,実はルワンダにも水田があり,ルワンダ米が生産されています。今回のプロジェクトでは,ルワンダ国内の数カ所で実験を行った結果,首都キガリ郊外の農場がリンドウ栽培に最も適しているとの結論になった,とのことです。なお,キガリ近郊のルワマガナ郡では,現在水田用にJICAの無償援助による灌漑プロジェクトが進行中であり,将来的には本プロジェクトと協力関係が実現し,八幡平市のリンドウが,ルワンダでも一般的に栽培されることになるかもしれません。その成果が今から楽しみです。