令和4年度第2回メディア向けプレスツアーを行いました

令和5年3月16日
コーヒーの木や実に関する説明を受 ける一行
プレスの取材に応える福島大使
2023年3月7日、現地メディア向けにプレスツアーを実施しました。これには新聞・テレビ6社9名のジャーナリストとカメラマンが参加しました。西部県カロンギ郡のコパカキ農協において、技術協力「コーヒーバリューチェーン強化振興プロジェクト」に関する視察を行いました。
 
このプレスツアーは、日本の開発協力が現地メディアで取り上げられる機会を増やすとともに、ルワンダの政府関係者のみならず国民への情報発信を強化するためのものです。
 

コーヒーバリューチェーン全体を強化~生産から輸出まで~

水洗施設を見学する一行
乾燥床を見学する福島大使
ルワンダにおいて農業はGDPの26%(2020/21年)を占め、全人口の約70%が従事する主要産業であり、その中でコーヒーは紅茶や菊とともに主要な伝統的作物として、紅茶に続く農産品輸出で2番目に大きな割合を占めています。日本は、ルワンダコーヒーの主要な輸出先の一つとなりつつあり、2021年には日本のルワンダからのコーヒー生豆輸入量は304トン(19位)となっており、2020年の212トンより増加しています。
 
また、ルワンダ政府は様々な政策や戦略で、ルワンダコーヒーの輸出振興、ブランディング、農家の技能強化や組織強化等の取組を実施していますが、コーヒー農家は小規模で生産していることが多く、良品質で高価格のコーヒーを栽培・収穫等をするための投資が非常に限られています。加えて、コーヒー産業の関係者間で円滑に情報共有がされていないため、市場が求める品質等と農家の考える品質との間に乖離(かいり)が生じています。
 
これらの課題に対応するため、技術協力を通じて、国際市場におけるルワンダコーヒーの認知度向上、高品質・高価格のコーヒー生産モデルの確立、そして、コーヒー産業の従事者たちの連携強化を進めており、これらを通じて同国のコーヒーバリューチェーン全体を強化することを目指しています。
 
プレス一行は、技術協力「コーヒーバリューチェーン強化振興プロジェクト」を通じて、栽培、収穫後管理、マーケティング等に関する研修を実施したモデル農協であるコパカキ農協を視察しました。同農協のマーケティング職員から説明を受けながら、苗床、コーヒーの木、水洗施設、乾燥床等を見学し、コーヒーを出荷するまでのプロセスに関する理解を深めました。プレスは、農協関係者が日本の支援から学んだコーヒー豆の選別や管理等について熱心に取材していました。
熱心に写真撮影をするメディア
農協の概要を取材中のメディア
エリック・ルガニントゥワリ国家農業輸出振興機構 品質保証・規制部門マネージャーは、「農業分野における日本の支援、そしてコパカキ郡長を始め、多くの関係者の支援に感謝。コーヒー分野において日本と協働することは、日本市場におけるルワンダコーヒーの認知度向上に大きく資する。このプロジェクトを通じて、コーヒー農家の収入が向上し、彼らの生活がよりよくなることを期待する。」と述べました。
 
また、福島大使は、「農業分野は、日本の重点分野の一つであり、日本は様々な支援をしてきた。このプロジェクトは、コーヒー農家のみならず加工業者、輸出・販売業者を含めたコーヒーバリューチェーン全体を強化するものです。本日は現場でその支援を実際に拝見できることを大変嬉しく思う。この技術協力は、日本人専門家やJICAボランティアを通じて日本の顔の見える支援であり、日本とルワンダの人々が協働している良い例である。今後、ルワンダのコーヒー分野がさらに成長することを期待している。」と述べました。
 
プレスツアー後、各紙・テレビでは次々と日本の開発協力の取り組みが報道され、ルワンダの包括的な発展に繋がる日本の支援に関するルワンダ国民の理解を深める一助となりました。