キレヘ郡ルスモ国境施設及びルワマガナ郡灌漑整備計画の視察

令和6年8月12日
国境施設(キレへ郡)
記念碑(ルワマガナ郡)
 2024年8月7日(水)から8日(木)、福島大使は、我が国がルワンダに対して実施した経済協力について、東部県キレヘ郡における「平成23年ルスモ国際橋及び国境手続円滑化施設(OSBP)整備計画(無償資金協力)」そして東部県ルワマガナ郡における「平成29年ルワマガナ郡灌漑施設改修計画(無償資金協力)」及び「平成31年~灌漑水管理能力向上プロジェクト(技術協力)」を視察しました。


 
 
ルスモ国際橋
集合写真
ルスモ国際橋及び国境手続円滑化施設整備計画(無償資金協力)
 ルワンダとタンザニアの国境にあるルスモ国際橋は、両国間の物流の重要地点となっていますが、当時の国際橋は一車線と橋幅が狭く老朽化も進み、貿易拡大に伴う交通量増加に対応できておらず、また、国境通過の煩雑な手続きも物流促進の障壁となっていました。
 本事業では、老朽化したルスモ国際橋の架け替えと、両国の国境手続円滑化のための施設建設を支援しました。2014年、新たな国際橋が完成したことにより、ルスモ国境を通過する車両の軸重(8トンから20トン)・速度規制(5kmから30km)が緩和されるとともに、越境手続の時間短縮、両国間の輸送コストの低減、貿易・投資の拡大に寄与しています。
ため池の縁で説明を受ける福島大使
整備された用水路
「ルワマガナ郡灌漑施設改修計画(無償資金協力)」
 ルワンダでは、天水農業が大部分を占めているため気候の変化に影響を受けやすく、水田稲作の適地とされる東部県のルワマガナ郡では、1980年代から灌漑施設を活用していますが、施設の老朽化による機能低下が起こっていました。2017年より始まったこの事業では、既存の低湿地灌漑施設の改修(ため池の改修、用水路の改修、付帯施設の改修、管理用道路の改修)を行い、これにより、灌漑機能回復・改善を図り、同国の農業開発に寄与しています。
水利組合の組織図
水利組合メンバーとの集合写真
「灌漑水管理能力向上プロジェクト(技術協力)」
 上述のルワマガナ郡の灌漑設備改修に伴い、灌漑施設の維持管理を政府から農民主体の水利組合(IWUO)に移管することが必要でしたが、移管にかかる行政手続きやIWUOの登録制度などの整備は十分ではない上に、IWUOの運営能力強化などを技術的に支援する水利組合支援ユニットにも技術的知見や経験が不足していました。この事業では、2019年から2024年の予定で、対象地域において灌漑施設管理移管の実施手順や、水利組合の支援体制の構築・制度化を図り、灌漑地区の管理能力向上を支援しています。
 今回の視察では、各案件が政府または関連組織によってきちんと管理されており、案件実施から時間が経過した今でも我が国の支援が成果をあげていることが確認できました。