「リンドウ•イン•ルワンダ•プロジェクト」10周年及び新事業発足記念式典参加

令和7年2月18日
式典集合写真
 2025年1月24日、福島大使は、佐々木孝弘八幡平市長出席のもと開催された、ルワンダにおけるリンドウプロジェクト10周年記念及び新プロジェクトの発足を祝う式典”Ceremony to Launch a New Project of Gentian-in-Rwanda project ~with celebrating the 10th Anniversary~”に出席しました。
ブルームヒルズルワンダ原田代表取締役によるプレゼンテーション
 2015年に始まったリンドウプロジェクト(Gentian in Rwanda Project)は、岩手県八幡平市が有する品種開発及び栽培に係る技術を活用した、ルワンダにおけるリンドウの生産・欧州向け輸出プロジェクトです。日本一のリンドウ生産量を誇る八幡平市は、50年以上にわたりリンドウ開発に取り組んでおり、高品質の「安代リンドウ」を生み出しました。本プロジェクトは10年前、安代リンドウの生産拠点拡大及び持続的な研究開発のため、ルワンダにてリンドウ栽培の実証実験を実施したことから始まりました。
 ルワンダでの栽培は、プロジェクト当初から八幡平市とライセンス契約を結んだブルームヒルズルワンダ社が主導しており、リンドウ栽培を通じて現在までに500人以上の雇用を生み出しています。また、ルワンダの気候は栽培に適しており、今では年間約2百万本ものリンドウの切り花を欧州に出荷しており、ルワンダは世界最大のリンドウ輸出国となっています。
 また、本プロジェクトは八幡平市にとっても、安代リンドウの市場を国内から世界へと広げるビジネスチャンスとなっています。さらに、本プロジェクトはロイヤリティ収入が八幡平市に入るビジネスモデルであり、同市の更なる花き産業発展を支え、地方創生のモデルケースと考えられています。    
 このような、日本の自治体とルワンダとの協力関係に基づく本プロジェクトは、2024年のTICAD閣僚会合においても上川外務大臣(当時)から、ベストプラクティスの1つとして紹介されました。
佐々木八幡平市長スピーチ
  本式典では、上記プロジェクトの歩みを振り返りながら、日本の自治体とルワンダとの相互協力に基づく本事業の発展を祝いました。また、この10年の取組の成果として、八幡平市が設立した株式会社R-GATE八幡平とJICAとの新しい共同事業である「ルワンダ国 組織培養技術を用いた高品質花き種苗生産の普及・実証・ビジネス化事業」の発足も発表されました。この新事業は、八幡平市で培われた先端のリンドウ組織培養技術をルワンダに導入することで、高品質なリンドウの生産量の増加と、種苗の欧州向け輸出開始を目指します。
 八幡平市とルワンダの友好関係は、リンドウ栽培にとどまらず、2021年の東京五輪では、ルワンダ選手団のホスト・タウンとなり、スポーツ・文化の両分野で交流が行われ、親交が深まりました。
福島大使スピーチ
 式典において、福島大使は、本プロジェクトが八幡平市とルワンダの双方に恩恵をもたらしていることを強調しつつ、八幡平市が日本とルワンダの関係強化に多大なる貢献をしていると述べ、八幡平市に深く感謝の意を示しました。また、佐々木八幡平市長は、八幡平市や安代リンドウの魅力について紹介する他、プロジェクト関係者への謝意を示し、今後もルワンダ発展のため八幡平市は努力を惜しまないと述べました。
 なお本式典の前に、福島大使は、新事業のため、株式会社R-GATE八幡平とJICAによって開設された、NAEB(国家農業輸出局)内のリンドウの組織培養ラボを視察しました。